Call your name,from”doubt” #5

やあ、目覚めは如何かな? プリンセス。

随分長旅だったけれど、北海道への修学旅行は楽しめたかい?
私にとって彼の地は厳しくも美しい雪のイメージが強かったのだけれど、今回訪れた各地では広大な平野と蒼く不思議な湖に触れることが多く、その懐深さの一部に触れることが出来たことに今なお感嘆し、心が震えているよ。

『旅行で知識をひろめるなどという迷信を信じないものだけが、旅行者たる資格をもっているのではなかろうか』

北海道ともゆかりのある文豪、安部公房の言葉だが確かにこの旅は学びよりも感情を揺さぶられるままに過ごしたと思うよ。……『修学旅行』の理念には反するかもしれないけれど、ね。

さて今回は、私が旅先で撮り溜めた写真を何枚か旅の思い出とともに紹介するよ。

札幌の商業施設、nORBESA(ノルベサ)の観覧車、ノリア内から。
夜明けのようにも見える不思議なな色をした夜空がとても素敵だったよ。
右側に蒼く光る電波塔のようなものがあるけれど、何なのかはよくわからない。
もし君が知っていたら、教えてくれないだろうか?

今回ステージイベント等も複数回行われて最も賑やかになったのではないだろうか、旭川市の雪の美術館だよ。雪と氷の女王が住まうお城とも言うべき幻想的かつ厳かな雰囲気だったね。
なお、ステージは実際には結婚式にも使われているようだ。

あまりにも有名な、羊ヶ丘展望台のクラーク博士像だ。
旅行中もここに立ち寄ると多くの人と会うことになったね。
かれの名言もまた、私が語るまでもなく知っていることだろうけど多くの門下生の前で、馬上から別れの挨拶としてあの言葉を贈ったと思うと胸が熱くなるよ。

ひっそりと訪れた神の子池。
摩周湖の伏流水から出来ていると言われるこの小さな池だけど、私はとても気に入った場所だ。
透き通るような水の青は、いつまでも眺めていたくなるよ。

……プリンセス。
きみはこの旅のなかで何を思い、何を感じたのだろう。
私と同じように、目まぐるしく様々な表情を見せる大地に感銘を受けたのかもしれない。
日常を離れた友との触れあいのなかで、その新たな一面を見つけたのかもしれない。
どうであったとしても、きみがこの旅から何かを持ち帰ったなら。
その煌めきをほんの少し、彼の地にも戻してあげて欲しい。

言うまでも無く、9月6日に発生した北海道胆振東部地震だ。
翔愛学園の修学旅行も一時延期となるほどの深刻な被害が発生し、被災地では復興に向けて歩みを進めている一方、今なお不安な日々も続いている。
今はネット募金なども簡単に出来るし、きみに出来る何かを探して、可能なことから実行して欲しい。
先の地震にて被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

では、星の輝く澄んだ空と雄大な大地と。旅の友に思いを馳せて。
おやすみなさい、プリンセス。

 

 

※おまけ※

雪の美術館内、資料室にて。
安部公房はああ言ったけど、学びも必要です。高校生だもの(*´ω`*)

Call your name,from”doubt” #5” に対する意見

    • 岡元 奏 Post author

      長谷 渡様
      そうだったんですか! なかなか印象深かったのですが調べてもよくわからなくて……ありがとうございます!

      そして返信遅れて申し訳ありません…

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